
宅ラムレディオ:フード&カルチャーラボと食の文化
キーワード
- アップステート (Upstate):ニューヨーク州北部地域。自然の景観と農場コミュニティで知られる。
- フード&カルチャーラボ (Food & Culture Lab):Takram New Yorkが主導する、食と文化のつながりを探求するプロジェクト。
- 郷土料理 (Local Cuisine):日本の各地域の伝統的な特色料理。地域の歴史や文化を内包。
- 水耕栽培 (Hydroponics):無土栽培技術。栄養液を通じて植物に養分を供給。
- コンフォートフード (Comfort Food):心地よさやリラックス感を与える食べ物。個人の記憶や感情と密接に結びつく。
概要
本回のJ-WAVEラジオ番組《宅ラムレディオ》では、Takram New Yorkのブランドストラテジスト岩原まり氏とリサーチャー兼コミュニティマネージャーの伊藤直美氏をゲストに迎え、「フード&カルチャーラボ」プロジェクトについてさらに深く探讨しました。番組では、ニューヨークのブルックリンで開催された美食イベントを振り返り、ニューヨークのイノベーションと日本の伝統的な郷土料理の融合を探求しました。ゲストはニューヨークのアップステート (Upstate) での視察経験を共有し、当地の農場コミュニティや持続可能な農業について語りました。また、食の継承の問題や、急速に変化する社会の中で伝統的な食文化を保護し発展させる方法についても議論しました。最後に、リスナーに彼らの「コンフォートフード」とその背後にある記憶や物語を募集しました。
インサイト
本番組の内容は、食の背後にある文化的価値の深い掘り下げを反映しています。味だけでなく、食が担う歴史、コミュニティ、個人の記憶に注目しています。食と文化、コミュニティ、持続可能性を結びつける視点は、飲食業界や文化交流に新たな発想を提供します。また、伝統食の継承への関心は、文化的遺産の保護についての思考を喚起します。
視点
01「都市と地方のつながり」
都市住民が地方の生活や自然環境に憧れることで、アップステート (Upstate) 地域の復興が促進され、シェフや飲食業界関係者に新たな発展の場を提供しています。
02 「食は文化継承の担い手」
郷土料理 (Local Cuisine) は味覚の体験だけでなく、当地の歴史、風土、コミュニティ文化の継承でもあります。
03 「イノベーションは文化継承の原動力」
伝統的な食文化を保護する一方で、イノベーションを受け入れ、新しい形式や方法を通じて伝統文化に新たな生命を吹き込む必要があります。
詳細
ニューヨークのイノベーションと日本の伝統の融合:食、文化、記憶をめぐる対話
J-WAVEの《宅ラムレディオ》番組で、ホストの渡辺孝太郎氏がTakram New Yorkの岩原まり氏と伊藤直美氏とともに、ニューヨークのブルックリンで開催された特別なイベントを振り返りました。このイベントは「フード&カルチャーラボ」を起点に、ニューヨークのイノベーション精神と日本の伝統的な郷土料理をつなげ、食、文化、記憶をめぐる対話を行いました。
アップステート (Upstate) の復興:都市住民の自然への憧れ
番組でゲストは、ニューヨークのアップステート (Upstate) での視察経験を共有しました。近年、週末のリフレッシュや新たな生活・仕事の場を求めて、多くの都市住民がアップステートに集まっています。このトレンドは地元の農場コミュニティの発展を後押しし、ますます多くのシェフや飲食業界関係者が地元の食材や農産物に注目し、新鮮で自然な食を顧客に提供しようとしています。
岩原まり氏は、多くのシェフが都市を離れ、アップステートで自然に近いライフスタイルを追求したいと語っていると述べました。都市の高額な家賃や激しい競争により、飲食ビジネスはますます困難になっています。一方、アップステートはより広い発展の場とゆったりした生活リズムを提供します。
食は文化継承の担い手:郷土料理の価値
イベントでは、D&Departmentの相馬祐樹氏が日本各地で郷土料理を研究した経験を共有しました。彼は、郷土料理は味覚の体験だけでなく、当地の歴史、風土、コミュニティ文化の継承だと考えています。すべての郷土料理の背後には、豊かな文化情報と人々の生活の知恵が込められています。
伊藤直美氏は、イベントで味わった船寿司が、日本の食文化の深い底力を感じさせたと述べました。千年以上の歴史を持つこの食べ物は、現代の寿司の原型であり、古代日本の人々の生活様式や食習慣を伝えています。
イノベーションは文化継承の原動力:変化の中で伝統を守る
伝統的な食文化をどう保護し発展させるかについて、ゲストはイノベーションが鍵だと一致しました。相馬祐樹氏は、伝統的な祭りは郷土料理を継承する重要な手段だと考えます。祭りを通じて、人々は共に料理を作り、共有することで、食に込められた文化や記憶を次世代に伝えられます。
しかし、社会の発展に伴い、伝統的な祭りは徐々に消滅しつつあります。そのため、郷土料理の継承に多くの人々が参加できる新しい方法を模索する必要があります。例えば、美食イベントやワークショップを開催し、郷土料理の魅力を直接体験できる機会を提供できます。
岩原まり氏は、郷土料理を継承する際、伝統的な做法に固執する必要はないと考えます。地元の食材や人々の好みに基づいて、郷土料理を革新・改良することで、新たな時代に新たな生命を吹き込むことができます。
コンフォートフード:食と記憶の結びつき
番組の最後で、ゲストはリスナーに彼らの「コンフォートフード」とその背後にある記憶や物語を募集しました。